3年間使用したアイリスオーヤマのオフィスチェアから、人気のゲーミングチェアAKRacing Pro-X V2に乗り換えました。本記事はその経緯と、購入を悩んだ各種チェアとの比較レビューです。
AKRacing Pro-X V2
最終的に購入したのはAKRacingの「Pro-X V2」です。言わずと知れた大人気モデルです。
先に結論を書いてしまうと大満足!オフィスチェとしての利用も文句なし!でした。
毎日12時間以上を椅子で過ごしています
私はコロナ騒動が始まるよりずっと前からリモートワーク、つまり在宅勤務を続けています。たまに出社や往訪もありますが、年間を通じて数回といったところです。
職種上「仕事のキリが付く」というタイミングはなく、定時に仕事が終わることは皆無です。
また、趣味もPCで楽しむものが多いため、曜日・祝日・時間に関係なく、どこかに宿泊でもしない限りは365日必ず自宅のPCに向かっています。
つまり1年中毎日、寝食以外はほぼ座りっぱなしで、その平均時間は12時間/日以上です。
購入までの経緯
直前まで使用していたオフィスチェアは、アイリスオーヤマのH-8800Lです。いわゆる「社長椅子」です。
このオフィスチェアは、3年前に、自分としては「奮発した」つもりで購入しました。
座面が広く、収納式のオットマン(足置きクッション)があるため、あぐらや足を伸ばした姿勢を取ることができます。あぐらをかいたり、モゾモゾ動くことが多い私にとって、特に座面の広さは魅力的でした。
これはこれで充分満足できるオフィスチェアで、コスパは高いです。それ以前に使用していた5千円程度のチェアに比べれば、座り心地は雲泥の差で、購入当初は感動したのを覚えています。
しかし、3年間の酷使により座面のクッションはへたり、底付き(お尻が固い底板に当たっている感触)を感じるようになったため、座面に別のクッションを敷いて座っていました。
使用したのは体圧を分散するゲルクッションで、複数のクッションを試した中でこれが最も楽でした。
上記商品は価格もお手頃で、なかなかのスグレモノです。座面の硬さや底付きにお悩みの方はぜひお試しあれ!
他の不満点として挙げられるのは、アームレストでした。
高さと幅を調節できず、前方に向かって落ちるように丸みを帯びている形状もあり、ゆったりもたれて休むとき以外は肘を乗せられません。
肘を乗せられない原因は、使っているデスクの高さが関係しています。私のデスクは高さ70cmで、少し高いです。
加えて、背もたれが90度よりも後方に後傾しており、せっかくのクッション性が高い背もたれも、意図してもたれかからない限り背中に触れることがありません。
ランバーサポートもへたりきってしまい、座面の奥行きが広いこともあって「若干腰に触れているか?」という程度で、支えられているという感じがなくなりました。
レザーの経年劣化も進んできて、特にアームレストは腕に当たる部分が剥げたり割れたりしてしまい、ザラザラした触感が気になります。以下の写真では右上、左下です。
写真の右下は、へたりきったランバーサポートです。薄くなり、へにょへにょです。
背もたれの傾斜、及びクッションの劣化により、お尻・腰・背中、そして首が痛くなりました。
また、アームレストに腕を置きにくいことで、腕・手首が疲れやすくなりました。
椅子から立ち上がった後、しばらくは腰から股関節あたりにかけて、重くだるい痛みが残ります。
つまり、座り続けることによりダメージが蓄積されているということです。
365日、毎日12時間以上座っているのですから、蓄積量もハンパないと思います。
ゲーミングチェアが良いと聞く
そんな折、同僚より「GTRACING GT901」というゲーミングチェアに買い替えたところ、体が疲れにくくなったと聞かされました。
このGT901は、機能を考えるとコスパ最強です。Amazonでも非常に売れています。
店頭で実際に座ってみましたが、幸せな気持ちになれました。
ゲーミングチェア、いいね!
羨ましくなったため、私もゲーミングチェアに買い換えるべく、店頭での試座を含め、調査を開始しました。
試座は大切です!自分に合っているかどうかは、カタログスペックだけではわからない部分が多いです。
海外メーカーのチェアは座面高に注意
日本人が海外メーカーのゲーミングチェアを購入した際の失敗談でよく見かけるのは、身長に対して座面高が高過ぎることです。欧米に対しても展開している商品は、全体に大きな作りになっていることが多いです。
椅子を選択する際の一般的な考え方のひとつに、足の裏が床にぴったり付くことが挙げられます。
この条件を満たさない場合、疲れに繋がりますので、女性や身長の低い方は、最初にチェックしたいところです。ただし後述するフットレストで解消することはできます。
注意点として、カタログスペックの「座面下高さ」に「座面クッションの高さ」を加算する必要があります。
例えば座面下高さが36cm、座面クッションの厚さが10cmである場合は、合計して46cm、クッションの沈みを考慮しても概ね44~45cmくらいはあると考えれば良いかと思います。
選定の基準を決める
私の身長は169cmほどです。また、座っているときによく体勢を変えるという特徴があります。椅子の上であぐらをかくことも多いです。作業中はほぼ前傾姿勢で、支えるものが無いため猫背気味になります。
座り続けた際のダメージはお尻と腰がひどく、次いで背中、首、手首です。
また、あまり硬めの座面は私には合わないようです。底付き感も苦手です。クッションの質は重要です。
よって、個人的な好みも併せ、以下を選定の基準としました。
選定基準
- 座面高が高すぎない
- 座面クッションは厚めで、硬すぎず柔らかすぎない
- フィット感よりもゆったり感
- あぐらをかける
- 自由度の高いアームレスト
- ファブリック製よりPUレザー製の方が好み
- コスパよりも品質と耐久性
- どうせなら最高のメーカー製品が良い
- オンライン会議を頻繁に行うため黒ければ黒いほど良い
これらを満たすチェアを比較検討したところ、いくつかに絞ることができました。
メーカーの選定
様々なレビューを見て、実際に試座もしてみた上で、「AKRacingとDXRACERに絞る」という結論に至りました。
前述のGTRACING GT901がコスパ最強であることはわかりましたし、Bauhutte(バウヒュッテ)の製品が日本人向きであることも魅力的でした。他にも良さそうな商品は多々ありました。
しかし、今回は「コスパよりも品質と耐久性を重視する」「最高のメーカー製品を選びたい」と決めましたので、この観点だと、大抵は誰に聞いてもAKRacingかDXRACERになると思います。
そのくらいAKRacingとDXRACERはド定番で、ユーザーが多く評価も高いです(そして価格も高いです…)。
条件を満たすモデルを絞る
メーカーはAKRacingとDXRACERに絞れました。次はモデルを絞り込みます。
前述の条件を満たすとなると、一般的に売れ筋となっている廉価モデルやスタンダードモデルは除外となります。
結果、以下が候補として残りました。
AKRacingのゲーミングチェア
AKRacingのゲーミングチェアは、スタイリッシュな外観、深いリクライニング角度、厚くて絶妙な硬さと柔らかさを併せ持つクッション、自由度の高いアームレストが魅力です。
Wolf、Nitro、OVERTURE、ONE PIECEは条件を満たしませんでした。
OVERTUREは悩みましたが、Pro-X V2と比べてしまうとどうしても見劣りします。今回は「最高」に拘りたいとの思いで対象から外しました。
AKRacing Pro-X V2
最終的に選択したゲーミングチェアです。機能的には文句なく条件を満たしています。箱から出した瞬間、その高品質な作りにうっとりできます。
座面クッションは全モデル中で最も厚い13cmで、他モデルや他メーカー製品に比べると若干柔らかめです。
座面は広く、あぐらをかくこともできます。最も重視するポイントだったため、大変満足しています。
4Dアジャスタブルアームレストを採用し、上下だけでなく前後、左右、角度も調節できます。これは嬉しいです。
ランバーサポートやヘッドレストは「でか!」と思いましたが、慣れると楽な姿勢を維持できることに気付きます。
リクライニングは180度まで倒すことができ、後述するオットマンがあれば普通に眠れる感じです。私は疲れたらソファベッドに移動しますので、リクライニングは特に重視しませんでした(とは言え楽ちんです)。
すべてのスペックが高く、欠点が見つからない素晴らしいゲーミングチェアです。私見ではありますが、3~4万円前後のモデルで悩んでいる方は、少々お高くともこちらを購入したほうが後悔しないと思います。
AKRacing Premium 低座面タイプ
Pro-X V2よりも上位の最高級モデルです。こちらは目的通りにオフィスチェアとしての利用を想定しているため、最後の最後まで悩みました。本当にポチる瞬間まで悩んでいました。
座面クッションはPro-X V2より薄い10cmですが、それでも他のチェアに比べると厚くなっています。
座面の広さは、なぜかPro-X V2より少し狭いです。個人的に、この座面の広さが決め手となりました。
座面チルトという機能を搭載しており、座面と背もたれの角度を維持したまま、座面を前後に傾けることができます。面白いですが、私は使わないかな…と思いました。
Pro-X V2と異なり「RAVEN」(レイブン)というロゴ部も含めて全体が真っ黒のカラーがあるのは魅力的でした。
その他はPro-X V2とあまり変わらない印象です。座面チルトに魅力を感じるかどうかでしょう。
私はこの点に魅力を感じなかったため、結果的に座面の広いPro-X V2を選択しました。
座面チルトに魅力を感じる方、真っ黒じゃないと嫌という方は、Pro-X V2よりPremiumが向くと思います。
DXRACERのゲーミングチェア
ゲーム大会に使われていたり、人気配信者が使用している等、定番の安心感があります。
AKRacingに比べ、似たモデルなら少し安価ですが、機能と見た目の品質はやや劣る印象です。
Racing、Valkyrie、King、Classicは条件を満たしませんでした。
FormulaはGTRACING並にコスパの高い、素晴らしいゲーミングチェアだと思いました。
ただ、あぐらをかいたりモゾモゾとよく動く私にはフィット感が強すぎました。とは言え、理想的な姿勢を保つにはフィット感も重要であることは確かです。
今回は見送りましたが、家族用に買い足すならば、FormulaのDXZは真っ先に候補に入れたいと思っています。
DXRACER Drifting(DX-03)
DXRACERで唯一最終候補に残ったのが、DriftingのDX-03です。平面的なデザインで、全体にゆったり感があります。
座面クッションは高さ9cmです。DXRACERはAKRacingよりもクッションが硬めです。好みには個人差がありますが、私の場合はこの座面クッションの性質差がネックとなりました。
DXRACERはヨーロッパ圏での規制に対応するため、リクライニング角度が狭く135度(ロッキング機能と合わせて150度)です。AKRacingの180度に比べると見劣りします。しかし、私は重視しませんでした。
もう一点は、アームレストが1Dワイドアームである点です。上下にしか動かせず、これもマイナスポイントとなりました。「ふぅ」と深く腰掛けると問題ないのですが、私は前傾姿勢で作業することが多いため、前後移動は欲しいです。
そして、上記AKRacing製品に比べると、背もたれが低いです。私はそれほど気になりませんでしたが、AKRacing製品に座った直後にこちらに座ると確かに低いなと思います。
ロゴ部以外真っ黒のカラーがあり、実は平面的なデザインも好みだったのですが、上記理由により残念ながら見送りとなりました。
クッションは硬めが良く、アームレストは上下移動で充分という方はDX-03が向くと思います。
また、コスパ重視ならDXZはオススメです!
オットマン
GTRACING GT901にはあり、AKRacingやDXRACERの製品にない装備として、収納型のオットマンがあります。
これまで使用していたアイリスオーヤマのH-8800Lには収納型のオットマンがあり、あぐらをかく際や足を楽に伸ばしたいときには便利でした。
しかし、使い続けるうちに固くひっかかるようになり、出し入れが面倒なので結局収納したままになっていました。
長時間座っている場合、オットマンがあると断然楽です。
AKRacing製のオットマンは高額なため、サンワサプライの100-SNC035という人気の高いオットマンを購入しました。
チェアに収納するタイプは、フレームが邪魔でした。上記商品は収納型オットマンに比べ広さと強度、適度な厚みと柔らかさがあり、邪魔なフレームも無く大変快適です。
私は足を伸ばすのではなく「普通より少し足を落としたあぐら」をかくために使用しています。個人的に、この体勢は前傾姿勢での作業と相性が良いです。
机下のスペースがあれば、上記オットマンは超オススメです!しかも、これ単体で椅子にもなります。
ただ、このオットマンはキャスターの滑りが良すぎて、体重の乗せ方によってはスイスイ滑ります。
そして、キャスターにストッパーが付いていません。
これが気になる場合、キャスターを同じメーカーの以下商品に付け替えることで解決できます。滑りを抑えるだけならすべてのキャスターを付け替える必要はありません。
フットレスト
女性や身長が低い方、座面クッションの上にさらにクッションを置きたいという方は、床に足がぺったり付かなくなり、疲れの原因になります。
これはフットレストを床に置くことで解決できます。
丸っこくて柔らかいフットレストがよく売れていますが、足の裏をぺたっと付けられるかどうかは重要だと思います。
オットマンと同じメーカー製の下記フットレストは、無段階角度調節ができてオススメです。
開封と組み立て
届いてまずびっくりしたのは、佐川の雑過ぎる荷物の扱いです。
トラックの荷台から取り出すときにガツゴツ音がしている時点でハラハラしましたが、その後 平気でアスファルトの地面にドスンと落とし、さらにズリッと向きを変えたため、箱に跡が残っていました。
玄関前でも、私が見ている前で(持ち上げずに)地面を引きずって移動していました。
いやいやちょっと、何考えてるの?
「佐川は荷物の扱いが荒い」とは聞いていましたが、まさか目の前で引きずるとは思いませんでした…。
佐川で高価な商品を運んでもらう際は、慎重に扱ってと一声かけた方が良さそうです。
ともあれ、我が家にAKRacing Pro-X V2がやってきました。びっくりするほど大きく重いです。
まず大きさがハンパないので、例え中身が空の状態でも女性が2階まで一人で運ぶのは大変そうです。
開封第一形態です。足の部分が出てきました。
開封第二形態です。座面と背もたれが重なっています。
開封第三形態です。ランバーサポート、ヘッドレスト、各種部品の入った箱が現れました。
箱の中身です。キャスターや各種部品、説明書等が入っていました。
組み立てはこれまで使っていたオフィスチェアに比べると非常に簡単でした。
苦労した点を書こうと思いましたが、私の場合は特にありませんでした。
30分かかったかどうかくらいで完成です。やはりAKRacingは高品質で、うっとりできます。
最重視していた座面クッションはしっかり厚みを感じ、ほどよい硬さと柔らかさを併せ持っています。素晴らしい!
4Dアジャスタブルアームレストは上下・左右・前後、角度の調節が可能です。素晴らしい!
リクライニングレバーです。最大角度は180度です。オットマンと合わせるとフィット感のあるベッドになります。
購入時は重視していませんでしたが、寝てみるとこれは気持ち良い…。ダメになるやつです。
オットマンと並べるとこんな感じです。あぐらをかくために使うことが多いため、近めの距離感です。
唯一気になったのが、座面レザーの縫い目があることです。
試座した時は意識に入っていませんでした。比較したDXRACERのゲーミングチェアには無かったと思います。
数日の使用でやはり埃がたまっていました。この縫い目、構造上どうにもならなかったのかな?
ランバークッションとヘッドレスト(特にヘッドレスト)は大きく、硬すぎると感じました。
しかし、長時間作業していると、サポートされていることにより体の疲れが軽減することに気付きました。
ちなみに巨大な発泡スチロールがあるわけでもなく、組み立て後の後片付けはとても楽でした。
足の裏は床にぺったり付かない
私の身長169cmだと、浅く座った際はギリギリ足の裏がぺったり床につくのですが、深く座ると土踏まずの辺りから踵にかけて宙ぶらりんになります。
身長が170cm未満の方は、フットレストが必要だと考えたほうが良さそうです。
なお現在、フットレストの代わりに意外なものを使ってこの問題を解決しています。フットマッサージャーです。
疲れたときには本来の目的通りマッサージをしてくれますので気に入っています。
まとめ
ゲーミングチェアをオフィスチェアとして利用するという目的、ゲーミングチェア界の二大巨頭であるAKRacingとDXRACERに絞ったことから、比較対象モデルを絞り込むことができました。
最終的にはAKRacing Pro-X V2に決定し、大満足しています。妥協せずこれに決めて本当に良かったと思います。
痛みのひどかったお尻と腰のダメージはほとんど無くなり、座ることが楽しくなりました。
以前は文章では表現し難い「極端に変な姿勢」で何度もモゾモゾ座り直していましたが、今は自然な姿勢で落ち着いて長時間座っていられます。椅子って重要ですね。
なお購入時、Amazonが初回限定で「分割払いにすると最大1,000ポイントもらえる」キャンペーンを行っており、分割払いで支払いました。
以下に該当する方は、私の選定基準が参考になるかと思います。
- ゲームだけでなく仕事で利用
- 前傾姿勢が多い
- 座面高を低く調節したい
- フィット感よりゆったり感
- クッションは厚く、程よい硬さと柔らかさ(やや硬め)
- あぐらは重要
- アームレストは前後や左右にも動かしたい
- リクライニングは180度欲しい
- 背もたれが頭より低いのは嫌
- コスパより品質と耐久性
- メーカーには拘りたい
- 長く使えるものが良い
- 保証は長いほうが良い
最後にしれっと登場しましたが、AKRacing Pro-X V2は3年保証です。
ただしレザーの摩耗・劣化や昇降機構の故障は1年保証となります。
AKRacing Pro-X V2 + オットマン + フットレスト、超オススメです!