2024年にトランスポンダ移動があり、チャンネルマップを変更しないと対象チャンネルを視聴・録画することができなくなりました。
これに追従するためPT3とBonDriver on Spinel環境で、上記チャンネル設定を変更する方法を紹介します。
BSデジタル放送の帯域再編成について
トランスポンダ(トラポン)移動がありましたので、PT3ユーザーはこれに合わせてチャンネル設定を変更する必要があります。
対応しないと、TVTestやEDCBで上記チャンネルを視聴・録画できなくなります。
トラポン移動は数年に一度程度のペースでありますので、毎回追従する必要があります。
以下に、今回の再編成で必要だった作業をまとめておきます。
前提条件
- BonDriverにはいくつか種類があります。
BonDriver_PT3-S.ChSet.txt
というテキストファイルによってチューナー空間を設定可能な環境を使用してください(本サイトで紹介している環境ではSpinelのみファイル修正)。 - 上記ファイルはチューナーがPT3である場合のもので、他のチューナーではファイルが異なります。
- 本記事ではPT3を前提にしていますので、他の環境では一部読み替えが必要です。
PT3の購入は必須
何はさておき、TVチューナーカード「PT3」が必要です。
PCへの増設後は公式サイトよりデバイスドライバとSDKをダウンロードし、インストールしてください。
ただ、現在PT3は入手困難となっています。購入可能でも、高額である場合が多いです。
一世代前のPT2は「まともな」価格で購入可能ですが、記事内容の読み替えが必要です。
Spinel導入を前提としている点に注意
このサイトでは、BonDriverをSpinel経由で使用することを前提とした記事を紹介してきました。
Spinelを導入することで、1つのPT3で複数台のPCからTV視聴や録画を行えるようになります。PCの台数分PT3を購入する必要はありません。
TVTestとEDCBも、使用するそれぞれのPCに対してわざわざ個別に同じ設定をするのではなく、親玉であるSpinelサーバ側のPCでのみ設定を変更すれば良くなります。
1つのPT3を2台以上のPCで使用する場合は、Spinel導入をおすすめします。
今回もSpinelを導入している前提でお話していますので、TVTestやEDCBで直接BonDriverを使用している環境では一部読み替えが必要です(とは言え難しいことはなく、対象ファイルを読み替えるくらいです)。
Spinelの設定
SpinelのBonDriver
フォルダにあるBonDriver_PT3-S.ChSet.txt
というファイルが対象となります。
※チャンネルスキャンを行うだけでBonDriver_PT3-S.ChSet.txt
を生成してくれるツールもありますが、チャンネル名が空欄になるため、コピペで済む手動編集を行います。
BonDriver_PT3-S.ChSet.txt の変更
ファイルをバックアップ後、テキストエディタで下記の内容で上書きし保存してください。
チャンネル名の前だけはスペースですが、それ以降はタブ区切りである点に注意してください。
2024年10月時点
;BS/CS用
;チューナー空間(タブ区切り:$名称 BonDriverとしてのチューナ空間)
$BS 0
$CS110 1
;チャンネル(タブ区切り:名称 BonDriverとしてのチューナ空間 BonDriverとしてのチャンネル PTxとしてのチャンネル TSID(10進数で衛星波以外は0))
BS01/TS0 BS朝日 0 0 0 16400
BS01/TS1 BS-TBS 0 1 0 16401
BS01/TS2 BSテレ東 0 2 0 16402
BS03/TS0 WOWOWプライム 0 3 1 16432
BS03/TS1 BSアニマックス 0 4 1 17969
BS03/TS2 BS釣りビジョン 0 5 1 17970
BS05/TS0 WOWOWライブ 0 6 2 17488
BS05/TS1 WOWOWシネマ 0 7 2 17489
BS09/TS0 BS11イレブン 0 8 4 16528
BS09/TS2 BS12トゥエルビ 0 9 4 16530
BS11/TS2 放送大学 0 10 5 18098
BS13/TS0 BS日テレ 0 11 6 16592
BS13/TS1 BSフジ 0 12 6 16593
BS15/TS1 NHK BS 0 13 7 16625
BS15/TS2 スターチャンネル 0 14 7 16626
BS19/TS0 J Sports4 0 15 9 18224
BS19/TS1 J Sports1 0 16 9 18225
BS19/TS2 J Sports2 0 17 9 18226
BS19/TS3 J Sports3 0 18 9 18227
BS21/TS0 WOWWOWプラス 0 19 10 18256
BS21/TS1 日本映画専門ch 0 20 10 18257
BS21/TS2 グリーンチャンネル 0 21 10 18258
BS23/TS0 ディズニーch 0 22 11 18288
BS23/TS1 BSよしもと 0 23 11 18801
BS23/TS2 BSJapanext 0 24 11 18802
BS23/TS3 BS松竹東急 0 25 11 18803
ND02 1 0 12 24608
ND04 1 1 13 28736
ND06 1 2 14 28768
ND08 1 3 15 24704
ND10 1 4 16 24736
ND12 1 5 17 28864
ND14 1 6 18 28896
ND16 1 7 19 28928
ND18 1 8 20 28960
ND20 1 9 21 28992
ND22 1 10 22 29024
ND24 1 11 23 29056
変更が完了したら、Spinelを終了し、再度起動してください。
TVTestの設定
TVTestは、そのままでは上記の変更が反映されません。チャンネルスキャンが必要です。
準備
TVTest のフォルダにあるBonDriver_Spinel_PT-S0.ch2
とBonDriver_Spinel_PT-S1.ch2
をリネームします。
【例】BonDriver_Spinel_PT-S0.ch2.bak
※削除しないのはバックアップとして残すためです。
チャンネルスキャンの実行
TVTestを起動し、「BonDriver_Spinel_PT-S0」を選択します。
次に、右クリックの「設定」から「チャンネルスキャン」を選択します。
「対象チューニング空間」を「BS」に設定し、「スキャン開始」をクリックします。
チャンネルスキャンが完了したら、重複しているチャンネルのチェックを外します。
同じ作業を「BonDriver_Spinel_PT-S1」に対しても行います。
S0とS1の両方でチャンネルスキャンとチェックが済んだら、TVTest を終了しておきます。
EDCBの設定
EDCBのSetting
フォルダにあるChSet5.txt
というファイルをバックアップ後、削除します。
準備
EDCBの Setting
フォルダにあるBonDriver_Spinel_PT-S0(Spinel:PT3_0/S0).ChSet4.txt
とBonDriver_Spinel_PT-S1(Spinel:PT3_0/S1).ChSet4.txt
とChSet5.txt
をリネームします。
【例】BonDriver_Spinel_PT-S0(Spinel:PT3_0/S0).ChSet4.txt.bak
※削除しないのはバックアップとして残すためです。
※ChSet5.txt
は手動で変更すると正常に動作しません(しませんでした)。
チャンネルスキャンの実行
EDCBのフォルダのEpgDataCap_Bon.exe
を実行し、「BonDriver_Spinel_PT-S0.dll」と「BonDriver_Spinel_PT-S1.dll」の両方でチャンネルスキャンを行います。
※地上波のスキャンも行っておいた方が良いです。私はこれを行わずPCを再起動したところ地上波の番組表を見ることができなくなっていました。
この際、スキャン対象のチャンネルが妙に少ない場合は、先程のBonDriver_PT3-S.ChSet.txt
がどこか間違っている可能性が高いです。
設定変更
EDCBの「設定」>「EPG取得設定」でチャンネルが正常に登録されていることを確認し、必要のないチャンネルのチェックを外します。
さらに「設定」>「サービス表示設定」も確認しておきます。「BonDriver_Spinel_PT-S0.dll」と「BonDriver_Spinel_PT-S1.dll」は設定が別です。両方設定してください。
ここまで済んだら、EpgDataCap_Bonは終了します。
EpgTimerの設定
EDCBフォルダのEpgTimer.exe
を起動します(通常EDCBとして使用している実行ファイルです)。
「設定」>「EPG取得」でチャンネル登録の確認を行い、不要なチャンネルのチェックを外します。
さらに「設定」>「番組表」>「表示項目」>表示タブ「BS」>「変更」>「表示条件」で、表示サービスを同じように確認します。
トラブル防止のため、いったん「全削除」してから必要なチャンネルを手動で追加するのが良いと思います。
上記設定作業中に古いチャンネルが登場する場合、チャンネルスキャンの前にChSet5.txt
を削除しておらず、古いチャンネル情報が残っていると考えられます。この場合はファイル削除からやり直せばOKです。
ここまでの作業を終えたら、PCを再起動してください。
再起動するまでは、正しく設定していても予約の動作がおかしくなる現象を確認済みです。
再起動後は、以下を確認してください。
- 番組表が正しく表示される
- 録画予約をした際に使用予定チューナーが「チューナー不足」にならない
kw変更について
多くを語ることはできませんが、つまりスクランブルについての話です。
変更されたkw(ワークキー)に対応する方法は複数あります。
B-CASカードの書き換え
まず、B-CASカードをカードリーダライタで書き換える方法があります。
カードリーダライタは以下商品が定番で、おすすめできます。一択で良いと思います。私も使用しています。
マイナンバーカードの読み込みが可能で、マイナポータルで様々な個人情報を閲覧する目的にも使用できます。また、e-taxにより、税務署に出向かなくとも確定申告を行えます。一般的には、こちらが本来の使い方ですね。
書き換える方法はCardTool.exeというツール(通称:角鶴)を使うことが多いですが、変更内容はここでは紹介できません。このページにあるワードでの検索で見つかる…かも知れません。
そして本ブログでは使用を推奨しません。
SoftCASの設定変更
B-CASカードを書き換えるほかに、ソフトウェアにより擬似的にB-CASカードを代替する方法もあります。
SpionelのBonDriver
フォルダに「あるなら」winscard.ini
ファイルを編集します。
こちらも書き換え内容はここでは紹介できません。このページにあるワードでの検索で見つかる…かも知れません。
そして本ブログでは使用を推奨しません。
Spinelの再起動
kwを変更した際には、Spinelを終了し再起動する必要があります。
まとめ
以上で対策は完了です。
Spinel環境であれば、BonDriverはSpinelだけが使用しており更新箇所が1箇所であるため対応が楽になります。
繰り返しになりますが、1つのPT3を2台以上のPCで使用する場合、Spinelの使用をおすすめします。