Windows 10でWindows Updateによる再起動が勝手に行われないよう対策します。
Windows 10でのWindows Updateの挙動
スタートメニューから「設定」→「更新とセキュリティ」→「詳細オプション」と進むと、「更新プログラムのインストール方法を選ぶ」という項目があります。
しかし従来のバージョンでは選択できていた「更新をダウンロードするが、インストールする時期はユーザーが決める」という内容の項目がありません。
選択できるのは「自動」と「再起動の日時を設定するように通知する」の2項目になっています。
後者は完全にユーザーが制御できるわけではなく、「だいたい再起動してよさそうなときに再起動する」「更新日時を設定しておく」という内容です。
つまり更新のインストール及び再起動の時期をユーザーが制御することはできません。
いやいや、ユーザーが再起動の制御を行えないOSって…。
常に最新状態を保つことはセキュリティ上は好ましいことですが、勝手に再起動されるということは作業中の状態を無断でリセットされることになり、困るケースも多いでしょう。特にビジネス用途では大変な事態になりかねません。
Microsoftに対してユーザー操作を100%信用しろとは言えませんし、セキュリティが原因で問題が発生する事例も少なくありません。
しかし設計段階で、少なくともユーザー側に選択手段を残すかどうかは議題にあがったはずです。結果はコレですが。
Windows 8でユーザーの意向を無視してスタートメニューを強制排除し失敗した教訓はどこへ…。
Windows Updateの設定を変更する
こういう問題では、いわゆる裏設定がないか調べるのが常套手段ですが、やはり存在しました。
ただし制限というか、以下の方法は「Windows 10 Pro」でしか利用できません。
ローカル グループ ポリシー エディターを開く
[Windows] + [R] で「ファイル名を指定して実行」を開き、gpedit.msc
を実行します。
Windows Updateの自動更新を構成する
「管理用テンプレート」→「Windows コンポーネント」→「Windows Update」と進み、「自動更新を構成する」をダブルクリックして開きます。
デフォルトでは「未構成」になっていますが、これを「有効」に変更します。
すると、オプションの「自動更新の構成」が選択できるようになりますので、「3 - 自動ダンロードしインストールを通知」を選択します。
ヘルプにはこうあります。
3 = (既定の設定) 更新プログラムを自動的にダウンロードし、インストールの準備ができたら通知する
コンピューターに適用できる更新プログラムが見つかると、これらの更新プログラムがバックグラウンドでダウンロードされます (ユーザーには通知されず、作業も中断されません)。ダウンロードが完了すると、ユーザーには、更新プログラムをインストールする準備ができたことが通知されます。Windows Update にアクセスすると、それらの更新プログラムをインストールできます。
従来のWindowsでタスクトレイに黄色いシールド型アイコンが現れ、ダウンロードされた更新をインストールできる状態を知らせてくれていましたが、それと同じ動作になります。
設定変更を確認する
Windows Updateで「更新プログラムのチェック」を行うまで、どこにも設定変更された形跡が見られませんでしたが、チェック後は赤文字で状態を確認できるようになりました。
「一部の設定は組織によって管理されています。」と表示され、「更新プログラムのインストール方法を選ぶ」が選択不能になっています。
組織ってなんやねんと考えてしまいますが、グループ ポリシーです。
Windows 10 Pro以外では
レジストリエディタで「HKEY_LOCAL_MACHINE」→「SOFTWARE」→「Policies」→「Microsoft」→「Windows」→「Windows Update」→「AU」→「ScheduledInstallTime」の値を「3」にすることで、グループ ポリシーの変更と同じ結果になりそうですが未検証です。
乱暴な方法としてはWindows Updateのサービスそのものを停止してしまうという手があります。
しかし当然ながら好ましくはありませんし、Windows Defenderの定義更新まで停止してしまいますので、間違いなく定期的に手動アップデートを行う自信がなければお勧めはできません。